モルモットの飼い方

モルモットは多頭飼いできる?相性・性別・ケージ環境など注意点を解説

モルモットを飼っていると、「もう1匹お迎えしてみたいな」「仲間がいた方が寂しくないかも?」と思うことってありませんか?

でも、いざモルモットの多頭飼いを考えると、「オス同士はケンカしない?」「同じケージで大丈夫?」「仲良くしてくれるかな?」など、不安や疑問がたくさん出てきますよね。

実はモルモットはもともと群れで暮らす動物です。

ですが、性格や相性によってはトラブルになってしまうこともあるため多頭飼いをする時は慎重に準備することが大切です。

この記事では、モルモットの多頭飼いができる条件、性別ごとの相性、トラブルを防ぐコツなどを初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

2匹以上でも仲良く暮らしてもらうために、ぜひ参考にしてみてくださいね。

モルモットは多頭飼いできるの?

結論から言うと、モルモットは基本的に多頭飼いが可能です。
もともと野生では群れで暮らしている動物なので、仲間がいることに安心感を覚える子も多いです。

ただし、モルモットが「仲良く暮らせるかどうか」は性格や相性、性別によって大きく左右されるため、無条件に一緒にしていいというわけではありません。

性格や育った環境によって反応が異なる

モルモットにも、「おっとりしていて誰とでも仲良くなれる子」もいれば、「単独が好きで他の子に敏感に反応する子」もいます。
また、ペットショップ育ちかブリーダー育ちか慣れた飼い主との信頼関係があるかどうかによっても反応が変わってきます。

同じケージで何匹か一緒にペットショップで暮らしてモルモットは、多頭飼いしやすい可能性が高いですが数年間1匹だけモルモットを買っている環境でいきなり多頭飼いを始めるのは難易度が高いので注意しましょう。

無理に同じケージで暮らさせるのはNG

「モルモットは群れで暮らすから大丈夫でしょ」といきなり1匹だけのところから同居させるのはとても危険です。
最初はお互いのにおいに慣れさせる・別ケージで様子を見る期間をつくるなど、時間をかけたお見合いステップが必要不可欠になります。

同じケージで何匹か一緒にペットショップで暮らしてモルモットを同時に飼う時でも環境が変わると縄張り争いが始まるかもしれないので注意しましょう。

大事なのは「相性」と「飼育環境」

性別や年齢の組み合わせ、ケージの広さ、ごはん・トイレの設置などをしっかり考えて環境を整えることでストレスを最小限にした多頭飼いが可能になります。

モルモット同士の相性や飼育環境を見て多頭飼いできるかを考えましょう。

性別ごとの多頭飼いの特徴と注意点

モルモットの多頭飼いを考えるときに、最も重要なのが「性別の組み合わせ」です。
性別によって性格傾向や相性が大きく変わるため、トラブルを避けるためには慎重な判断が必要になります。

組み合わせ相性の傾向注意点
メス+メス◎ 比較的安心小さないざこざはあるかも
オス+オス△ 相性次第成長後の縄張り争いに注意
オス+メス× 原則NG繁殖・妊娠リスクが高い

メス同士の多頭飼い|比較的相性がよく安心

メス同士は比較的穏やかな関係になりやすく、多頭飼いしやすい組み合わせです。
ただし、仲が良くなるかどうかは個体差があるため、慎重に様子を見ながらの同居が基本です。

メス同士で飼う場合のポイント

  • 性格が合えば一緒に寄り添って寝ることもあります
  • まれに上下関係ができて小競り合いが起きることもある
  • 別々のケージで育てて仲が良さそうなら同居を検討
  • ケージ内の隠れ家・トイレ・ごはんは2セット以上設置すること

オス同士の多頭飼い|縄張り争いに注意!

モルモットのオス同士の組み合わせは、一番トラブルが起きやすいパターンです。
特に思春期以降(生後4〜5ヶ月~)は縄張り意識が強くなり、ケンカや威嚇が激しくなることがあります。

オス同士で飼う場合のポイント

  • 幼いころから一緒に育てると比較的うまくいきやすい
  • 年齢差が大きいと力関係に偏りが出やすい
  • 別々のケージで育てて仲が良さそうなら同居を検討
  • ケージ内の隠れ家・トイレ・ごはんは2セット以上設置すること

オスとメスの組み合わせ|繁殖リスクに要注意!

オスとメスを一緒に飼う場合、避けて通れないのが「繁殖の問題」になります。
モルモットは繁殖力が高く、生後4〜5週程度で妊娠可能になるため、意図しない妊娠のリスクが非常に高いです。

オスとメスの組み合わせ

  • 去勢・避妊手術が必須(体への負担があるためおすすめしません)
  • 別ケージでの管理が安全
  • 繁殖した時の飼う心の準備が必須

多頭飼いでトラブルになりやすいケース

モルモットの多頭飼いは成功すればとても癒される関係になりますが、ちょっとしたきっかけでケンカやストレスの原因になってしまうこともあります。
ここでは、初心者がついやってしまいがちなトラブルのパターンを紹介します。

いきなり同じケージに入れてしまう

初対面のモルモット同士をいきなり同じケージに入れるのは原則NGです!
テリトリー意識が強く、においが違う相手を受け入れられずに威嚇・ケンカ・パニックが起きることがあります。

対策

最初は別々のケージでお見合い期間を設けて徐々に慣れさせましょう。

ごはんや隠れ家の取り合い

モルモットは意外と“自分の場所”にこだわる動物になります。
1つのごはん皿や隠れ家を巡って、追い払いや軽いケンカが起こることもあります。

対策

  • ごはん皿・水ボトル・トイレ・隠れ家は必ず2セット以上用意
  • ケージも広めにして逃げ場をつくることが大切

一方だけがなついて、もう一方が隠れたまま

モルモットは性格や体格の差で、一方が優勢になり、もう一方が隠れて出てこなくなることもあります。
これはストレスや健康悪化につながる危険なサインです。

対策

  • それぞれの様子をよく観察して明らかに一方が萎縮しているなら別々に飼育する判断を
  • スキンシップやお世話の時間も、片方だけに偏らないように配慮しましょう

鳴き声での威嚇・落ち着きのない行動

「ぷいぷい」「ぐるぐる」などの鳴き声で相手を威嚇したり、ケージの中を落ち着かず歩き回るなどの行動も要注意です。
このような状態は相性が悪いサインかもしれません。

トラブルの兆候があれば、無理をせず、いったん別居させることも大切です。。
「仲良くしてほしい」という気持ちが裏目に出ないよう、相手の気持ちを尊重する姿勢が成功のカギです。

モルモットを多頭飼いするためのコツ

モルモット

モルモットの多頭飼いをうまくいかせるには、お迎えの仕方やケージ環境の工夫、相性の見極めがとても大切です。
ここでは、実際に多頭飼いを始めるときに意識したいコツを具体的にご紹介します。

多頭飼いは、「人とモルモット」ではなく「モルモット同士の関係性」を尊重することがカギです。
飼い主は観察・環境調整・サポート役にまわる意識を持ちましょう。

初対面は「お見合い」からスタート

モルモット同士をいきなり同居させるのではなく、まずはケージ越しでにおいと存在に慣れさせる「お見合い期間」を設けましょう。

  • 1週間〜10日程度、別ケージで距離をとりつつ接触させる
  • 鳴き声やしぐさの様子を観察し、威嚇・攻撃的な反応がないかチェック
  • 落ち着いていそうなら、一時的に一緒に過ごす時間(見守り付き)を試してみる

ケージは別々に用意するのが基本

一見仲良さそうに見えても、1匹になれる空間がないとストレスになることもあります。
特に初期は1匹ずつにケージを用意することが理想的です。

  • ケージを並べて配置し、互いの存在を感じさせつつ安心できる空間に
  • 同居を試す場合も、ケージは広めで隠れ家・トイレ・ごはんは2セット以上

同じケージでの同居が平和に続いても急に仲が悪くなる事もあるので注意しましょう。

性格・体格が似た子を選ぶと安心

モルモットも人間と同じく体格差があると、力の強い方が優位になりがちです。

  • 同じくらいの年齢(同月齢~2ヶ月差以内が理想)
  • 穏やか同士・活発同士 など性格のバランスが近い組み合わせ

このように年齢や体格、性格が似た物同士を選ぶとトラブルが起こりにくくなります。

仲良くなるには“時間”が必要

モルモットも人間と同様でどんなに相性が良さそうでも、急に仲良くなることはありません。
焦らず、1日1日、少しずつ距離を縮めていくことが大切です。

  • 無理に一緒に遊ばせようとしない
  • それぞれが安心できる“居場所”を尊重する
  • 1匹ずつのペースに合わせてケアする

多頭飼いのメリットとデメリット

モルモットを多頭飼いすることで得られる魅力はたくさんありますが、そのぶん手間や注意点も増えるのが現実です。
ここでは、実際に多頭飼いをする際のメリットとデメリットを両面から整理してみましょう。

項目メリットデメリット
精神的な面仲間ができて安心感相性が悪いとストレスに
飼い主の楽しみ行動や鳴き声のバリエーションが増えるお世話の時間が倍になる
費用面観察の満足度が高いグッズ・病院代が2匹分
健康管理一緒に運動できる病気がうつる可能性あり

多頭飼いには良い面もあれば、慎重に対応すべき点もあるということを理解したうえで、モルモットにも飼い主にも無理のない方法を選びましょう。

多頭飼いのメリット

モルモットを多頭飼いすることで得られるメリットは下記になります。

多頭飼いのメリット

  • モルモット同士で安心感を得られる
  • 鳴き声や仕草が増え観察がより楽しくなる
  • 仲良くなった場合はお互いの存在がストレス軽減に

1.モルモット同士で安心感を得られる

もともと群れで生活してきたモルモットにとって、仲間の存在は安心感や刺激になります。
うまくいけば、寄り添って寝たり、一緒に毛づくろいしたりする姿が見られることもあります。

2.鳴き声や仕草が増え観察がより楽しくなる

複数でいると、鳴き声のバリエーションやコミュニケーションの仕草が豊かになり見ていて飽きません。
1匹飼いでは見られなかった社会的な一面を発見できる事もあるのが多頭飼いの魅力です。

3.仲良くなった場合はお互いの存在がストレス軽減に

相性が良いペアの場合、片方が不安になっても、もう一方の存在で落ち着くといった効果があることもあります。

多頭飼いのデメリット

モルモットを多頭飼いするデメリットは下記になります。

多頭飼いのデメリット

  • トラブル時は即分離が必要
  • 費用・手間が2倍以上になる
  • 病気がうつるリスクがある

1.トラブル時は即分離が必要

モルモット同士の関係が最初はうまくいっていても、成長や環境の変化で突然ケンカを始めることもあります。
突然の喧嘩を考慮して別々に飼える環境・スペースがあることが前提になります。

2.費用・手間が2倍以上になる

多頭飼いする場合、モルモットのケージやグッズが2セット必要になりごはん・床材・トイレシートの消費も増えるます。

また、病院代や緊急時の対応も2匹分になるのでモルモットを飼うのにかかる費用や手間が2倍以上になります。

3.病気がうつるリスクがある

同じ空間でモルモットを飼っていると1匹が病気になった場合、もう1匹にも感染するリスクが高いです。
特に皮膚病や感染症は、発見が遅れると両方に広がる可能性もあるので注意が必要です。

先住モルモットと新入りを仲良くさせるために

「新しいモルモットを迎えたいけど、先住の子とうまくいくかな…」と不安に思う方が多いのではないでしょうか?
実は、初対面の印象と、その後の関係は大きく違ってくることが多いんです。
ここでは、2匹の距離を自然に縮めていくためのステップを紹介します。

時間をかけてゆっくり慣れさせる

モルモットの多頭飼い成功のカギは、「すぐに一緒にしないこと」です。
最初のうちは、別々のケージでにおいや声を感じられる距離に置いて様子を見るのがベストです。

慣らしのステップ

  • お見合い期間(別ケージ)を1〜2週間設ける
  • 落ち着いたら、短時間だけ一緒に過ごさせる(監視付き)
  • トラブルがなければ、徐々に時間を延ばす
  • 最終的に同居も視野に(ただし様子を見ながら)

ケンカの兆候に気づいたらすぐ距離をとる

下記のような行動が見られたら、まだ一緒にするタイミングではありません。
すぐに距離をとって、再度慣らし期間を設けましょう。

ケンカの兆候

  • 歯をカチカチ鳴らす
  • 鳴き声が鋭くなる
  • 片方が追い回す
  • 毛を逆立てる・体当たりする

問題なく一緒に過ごしていて、急にこのような兆候が出た時に一旦距離を取ることも重要です。

「無理に仲良くさせようとしない」ことも大切

モルモットも人間と同様で一匹一匹、好き嫌いやマイペースさを持っています。
無理に一緒に過ごさせたり、追いかけっこを止めないでいると、強いストレスやケガにつながることもあります。

人間が同じクラスメイトでも性格や気が合わないから一生仲良くならないようにモルモットも気が合わない個体がいます。

2匹飼っても絶対仲良くなるわけではないので無理に一緒にするのは控えましょう。

まとめ|モルモットの多頭飼いは“慎重に、ゆっくり”が成功の鍵

モルモットは本来、仲間と一緒に暮らすことができる社会性のある動物です。
でも、性格や相性、育った環境によって仲良くなれるかどうかは、わかりません。
だからこそ、「絶対うまくいく」と思い込まず、慎重に、ゆっくりと進めることが多頭飼いを成功させる一番のポイントです。

記事の振り返りポイント

  • モルモットは多頭飼いが可能だけれど相性がカギ
  • 性別の組み合わせによって注意点が変わる
  • 最初は別々のケージからスタートし時間をかけて慣らすのが基本
  • ごはん・隠れ家・トイレはすべて2セット以上でトラブル防止
  • 一方がストレスを感じていそうなら無理をさせず即別居判断を
  • うまくいけば、鳴き声やしぐさから仲の良さを感じられる癒しの時間に

多頭飼いは、成功すればモルモット同士のかわいらしいやりとりが見られ、飼い主にとっても大きな喜びとなる飼育スタイルです。
でも、焦らず慎重に、そして「モルモットの気持ちを第一に考える姿勢」が何よりも大切です。

「もう1匹お迎えしてみたい」と思ったときは、ぜひこの記事を参考に、その子に合ったペースでじっくり向き合ってみてくださいね。

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